Business Insider

無印良品を展開する良品計画(東京)が、中国で現地企業と「無印良品」の商標権を巡って争っている問題で、二審の北京市高級人民法院(日本の高裁に相当)は、良品計画の訴えを退け、中国で無印良品の商標権を保有する「北京棉田紡績品有限公司」に賠償金など約1000万円を支払うよう命じる判決を下した。

良品計画は2017年12月の一審でも敗訴しており、二審判決をもって訴訟は終結する。良品計画はBusiness Insider Japanの取材に対し、事実を認めた上で「賠償金は既に支払い済み」とコメントした

同訴訟は、中国で「無印良品Natural Mill」を展開する北京棉田紡績品有限公司などが、良品計画と同社の現地法人無印良品(上海)を相手取り、訴えたのがきっかけ。

シーツやまくらカバーなど「24類」と呼ばれる商品カテゴリーにおいて、北京棉田が「無印良品」の商標を保有していると主張、良品計画側の権利侵害を訴えていた。

一審は北京棉田の訴えを一部認め、良品計画の権利侵害を認定したため、良品計画側はすぐに控訴。北京市高級人民法院で審理が続いていた。

中国側の報道などによると、これまでの経緯は以下の通り。

  • 2001年、海南南華実業貿易が「無印良品」の商標を登録。クッションやタオル、枕カバー、ベッドシーツなど「24類」での商標権を認められた。
  • 2004年、「無印良品」の商標が北京綿田に譲渡される。
  • 2005年、良品計画が中国に進出。
  • 2011年、北京綿田が「北京無印良品」を設立。2017、2018年ごろから日本の無印良品にそっくりな「無印良品Natural Mill」の展開を始める。
  • 2017年12月、一審で良品計画側が敗訴、良品計画は上告。
  • 2018年11月、両社の訴訟が表ざたになり、良品計画が状況を説明するコメントを発表。
天猫

中国ECサイトTmallの無印良品公式店舗には、既に訴訟に負けたことを説明するコメントが掲載されている。

このほど下された二審の判決は、「商標登録には地域性があり、良品計画は中国で北京綿田の商標権を侵害している」と認定し、良品計画敗訴の一審判決を支持した。さらに中国の無印良品店舗やアリババECサイトTmall(天猫)の公式ショップで、権利侵害に是正するコメントを発表することや、賠償金など合計62万6000元(約1000万円)を北京綿田に支払うよう命じた。

Tmallの無印良品公式ショップでは、すでに、

  • 一部商品で“無印良品”の商標が他社に取得されており、中国では使えないのに2014~2015年に使用していた
  • 二審判決を受け、北京綿田に対する権利侵害を避けるため、該当商品の商標の使用を見直した

などと声明を発表している。現地報道によると、該当商品からは「無印良品」の文字が消え、「MUJI」だけが残っているという。

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